2017年2月2日木曜日

2017.2.2 わたしの俳句入門

こういうツイートがありました。



わたしは『俳句を遊べ!』という入門書でしゃべった(まとめてくれたのはライターの与儀明子さん)わけですが、実は通読した俳句入門書は1冊もありません。何冊かは持っているし人にすすめたりもするけど。

わたしは本から知識を得るという経験を、ほとんどせずに人生をすごしてきました。
学校の教科書はもちろん読んだし学校の勉強はしたけど、わたしは本を読んだのではなく、「授業を受ける」ことによって学んできました。自分で言うのもなんですが、わたしは他の人より授業を受けることが得意です。自分が知らないことをわかりやすく教えてくれる人が大好きだからです。

俳句は、句会で学びました。中学時代は夏井いつきさん、高校時代は俳句部の友達と「櫟」同人のみなさん、大学時代は櫂未知子さんとまわりのみなさんに、いろいろ教えてもらいました。言われたことは理解して、作品で実行したと思います。何か言われても曲げられない自分、なんていうものは、そんなになかったです。おかげで型やリズムが身につきました。

あとは、大学時代に大歳時記の例句入力のバイトで句を打ち込んだり、ある俳句雑誌の句集紹介欄を1年ほど編集部名義で担当したりして、受動的にいろいろな俳句を読むことになったのが、本を読まないわたしにとって大変ありがたかったです。

大学を出ていったん松山ですごし、そのあと東京に帰ってきてからは、友達との句会で話して、俳句のことを考えました。みんなわたしよりいろいろなことを知っていて、ここでわたしは、みんなと考えることで、知識はもちろん、考え方を身につけました。
そのころ人に教えるようになって、いつも教え方を考えていました。ルールとか言わなきゃいけないことを最低限にして、どうすればある人の発想が面白くなるかを考えることは、自分が俳句を書くうえでも役立ちました。

読んで学んだといえるのは、池田澄子と三橋敏雄の考え方くらいです。穂村弘もそうかも。

だから、『俳句を遊べ!』に書かれていることのほとんどは、わたしが句会で誰かに教えてもらったことか、句会でみんなで考えたことか、池田澄子か三橋敏雄か穂村弘が書いていたことか、あとは自分が考えたことです。

これからも、みなさん。いろいろ教えてください。で、いろいろ考えていこう。